筋骨格以外へのアプローチの必要性

現代は、130年以上前のカイロプラクティックができた頃に比べて、あらゆる環境がかなり変わってきています。肉体労働中心の世の中からデスクワーク中心の動かない世の中に変わってきていたり、環境汚染の問題があったりします。

例えば、電磁波の問題(Wi-Fi、5Gなど)、空気の問題(黄砂、PM2.5、花粉など)、大気の問題(気圧、寒暖差、温暖化など)、食品添加物等、様々な目に見えないストレスが潜んでおり、身体に負担を掛けています。

そのため、カイロプラクティックのできた時代では筋肉や関節への治療ですぐに治った問題でも、現代では治るのが長期化したり、自分では気が付かないところで故障や不調が起きたりしているかもしれません。

寝ていて治る、という時代ではなくなりつつあります。本来の自然治癒力があらゆる環境のせいで働きにくくなっているのです。

そこで、筋肉、骨格以外のアプローチも、日々の臨床を通して必要な時代になってきていると感じています。

ここで必須になってくるのが、筋骨格よりも深いアプローチである内臓と頭蓋骨(クラニアル)テクニックです。

内臓テクニック

内臓は、二足歩行故に下垂しやすい環境がベースにあり、そこにあらゆる環境問題から内臓にストレスが掛かると、さらに下垂、固着が起きてきます。

例えば、腎臓の下垂が起こり、腎臓と隣接している大腰筋という重要な深い筋肉が硬くなると腰が伸びなくなり腰痛として出てきます。

また、肝臓の問題では、肝臓と付着している横隔膜の硬さが現れ、呼吸が浅くなります。呼吸がスムーズにできないということは、老廃物の代謝が悪くなり、より肩こり等を助長します。実は深呼吸をしてくださいと言っても、しっかり吸えていない、吐けていない人がほとんどです。

臨床で、ご本人から「なぜ痛めたか覚えがない」と良く聞きますが、よくよく調べてみると、冷えなどで内臓が疲れていて、筋肉に影響を出していることも珍しくありません。

また、生理学的にも体制-内臓反射というものがあり、胃の問題が左肩こりとして感じたり、内臓と体表の問題は繋がっています。

内臓の問題は、「健康診断で、数字では出ていないから大丈夫」という問題ではありません。むしろ、数字として出る前に、内臓の柔らかさなどを取り戻しておかないと、病気として、症状として出てくるかもしれません。

内臓の調整を行い、内臓に弾力を与え、位置異常を正常に戻すことにより、本来持っているご自身の治癒能力を引き出します。

頭蓋骨(クラニアル)テクニック

人間の中枢である脳は、15種類、23個の頭蓋骨により守られています。また頭蓋骨同士は、縫合というもので組み合わさって構成されています。

この縫合という骨の繋ぎ目の微細な動きを良くし、脳の働きを改善させ、脳脊髄液(CSF)の流れを正常に導くのが、このテクニックの目的です。

体液は、血液、リンパ液以外にも、人間の脳では脳脊髄液というものが作られ、脳から脊髄、神経に沿って流れ、内臓や筋肉に吸収されています。脳脊髄液の働きは、脳の老廃物の除去や、身体の免疫系への関与、脳の保護など身体の生命活動にはなくてはならないシステムです。

現代では、あらゆるストレスにより、疲労が起こり、脳脊髄液の吸収が悪くなり循環が滞ります。そして、脳脊髄液がうっ帯して頭が膨らんだ状態が、脳圧が上がった状態となります。

脳圧が高い程、頭が重たく縫合はカチカチな状態になり、自律神経は乱れ、免疫力の低下を起こし、自然治癒力が働きにくい状況になります。その結果、あらゆる症状が出てきます。

クラニアルテクニックで脳圧を下げる事によって、中枢からの伝達をスムーズに行えるようにし、結果的に、循環系、免疫系、排泄系、呼吸器系、ホルモン系など全身の働きが活性化し、自然治癒力が働きやすくなる環境を整えます。

まさに、頭の状態を診ると身体全体の調子が分かると言っても過言ではありません。

また頭蓋骨は、肺呼吸とは違ったリズムで呼吸するように動いていて、このリズムを一次呼吸と言います。肺での呼吸を二次呼吸と言います。つまり、生命の誕生以前に母体からあるのが一次呼吸、産まれてからが二次呼吸です。

産まれる前からのリズムである一次呼吸を整える事により、今お悩みの問題よりも深い問題が解決するかもれません。

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